| ILC で加速される「ビーム」は非常に薄いリボンのような形で、200 億個の電子や陽電子から形作られています。ビームのサイズを小さくすれば、ビームの中の電子や陽電子の密度が高くなり、電子と陽電子の衝突の頻度が上がる ため、ビームとビームの衝突点付近で、高さ6 ナノメートル(ナノメートル= 100 万分の1mm)幅500 ナノメートルという極小サイズが要求されています。 このような非常に小さなビームを作るためには、磁場の強度分布の変化が急でしかも精密 に制御された「高精度高勾配収束電磁石システム」と、粒子の方向がよく揃った「超平行ビーム」を実現しなければなりません。また、小さなビームを正確に衝 突させるには、衝突位置のズレをナノメートル精度に制御する技術も不可欠です。 KEKの試験加速器「先端加速器試験施設(ATF)」は ILCの電子側直線加速器の入射加速器と同じ構成となっており、電子銃部、直線型電子加速器、粒子の平行度を高めるダンピングリング(円形加速器)、ビー ム取り出し計測ライン、電磁石でビームを極小に絞り込む最終収束ビームライン(ATF2)から構成されています。ダンピングリングでは、従来の加速に比較 して約100倍も平行度の高い「超平行ビーム」をつくることができます。この種の試験加速器は世界でもATFのみであり、世界中から研究者が集まり、研究 開発が進められています。 |