国際リニアコライダー計画(International Linear Collider, ILC)

ILC(国際リニアコライダー; International Linear Collider)は全長30km を超える長大な直線状の地下トンネルの中に設置される巨大な加速器です。このトンネル中に電子の加速器と、陽電子(電子の反粒子)の加速器を相対する形で 設置し、トンネルの中央部で電子と陽電子を衝突させ、宇宙初期に迫る高いエネルギーの反応を作り出します。そして宇宙創成の謎、時間と空間の謎、質量の謎 に迫ります。 この巨大な加速器を国際協力によって作ろうという合意が世界の多くの素粒子、加速器の研究者の間でなされています。この計画を進める為に国際共同設計チー ムが作られ、私たち日本の研究者も世界中の人々と密接に協力しながら研究を進めています。

ILC で加速される「ビーム」は非常に薄いリボンのような形で、200 億個の電子や陽電子から形作られています。ビームのサイズを小さくすれば、ビームの中の電子や陽電子の密度が高くなり、電子と陽電子の衝突の頻度が上がる ため、ビームとビームの衝突点付近で、高さ6 ナノメートル(ナノメートル= 100 万分の1mm)幅500 ナノメートルという極小サイズが要求されています。

このような非常に小さなビームを作るためには、磁場の強度分布の変化が急でしかも精密 に制御された「高精度高勾配収束電磁石システム」と、粒子の方向がよく揃った「超平行ビーム」を実現しなければなりません。また、小さなビームを正確に衝 突させるには、衝突位置のズレをナノメートル精度に制御する技術も不可欠です。

KEKの試験加速器「先端加速器試験施設(ATF)」は ILCの電子側直線加速器の入射加速器と同じ構成となっており、電子銃部、直線型電子加速器、粒子の平行度を高めるダンピングリング(円形加速器)、ビー ム取り出し計測ライン、電磁石でビームを極小に絞り込む最終収束ビームライン(ATF2)から構成されています。ダンピングリングでは、従来の加速に比較 して約100倍も平行度の高い「超平行ビーム」をつくることができます。この種の試験加速器は世界でもATFのみであり、世界中から研究者が集まり、研究 開発が進められています。
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Accelerator Test Facility


 
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